これだけはおさえておこう!引用と著作権について

これだけはおさえておこう!引用と著作権について

WEB知識

ブログを書いていて、他のサイトや書籍などの文章を載せたいなぁなんて思うことがありますよね。きちんとしたところの情報を載せることで、自分の言いたいことに根拠をもたせることができるので、引用はとても便利です。

しかし、意外とルールを守って利用できている人は多くありません。ルールが守られていないと、いわゆるパクリや盗用と同じことになってしまい、著作権を侵害してしまう恐れがあります。

特に、ブログ初心者の方は見落としがちなポイントです。丁寧にわかりやすく解説していきますので、一緒に確認していきましょう。

著作権って?

まずは著作権について触れる前に、その権利が発生する前提から見ていきましょう。

誰かが『他人のマネではなく、自分の考えや気持ちをオリジナル作品として表現したもの』を著作物、その作者を著作者と呼びます。

そして、その著作物を他人に勝手に利用されたり手を加えられたりしないように、著作者の権利を守っているものが『著作権』です。

頑張って創り上げた作品(著作物)を他の人が勝手に商売に利用していたら、誰だっていい気持ちはしませんよね。それに、それが成立してしまっては誰もオリジナル作品を作ろうとはしなくなってしまいます。そのようなことを防ぐために、著作権というものがあるのです。

ちなみに著作権には、作者や作品が有名かどうかなどは一切関係ありません。皆さんが書いたブログの文章なども、すべて立派な著作物です。

著作物の利用には使用料がかかる

著作権法

著作物を利用する場合、著作者に不利益がないようお金(使用料)を払わなければなりません。この制度によって、『使用料を報酬・資金とし、著作者がまた新たな作品を創り上げる』というサイクルが支えられています。

そのため、不適切な方法で著作物を利用すると『著作権の侵害』となり、立派な犯罪です。著作権の侵害は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられ、法人の場合はなんと3億円以下の罰金となります。

著作権法(e-Gov(電子政府の総合窓口))

引用とは

しかし、例外的に著作者の了解なしで著作物を利用することが認められているケースがいくつかあります。そのうちの1つが、今回解説している引用する場合です。

引用とは、特にブログを書いている方向けにまとめると、「他の人の作品を自分のブログなどの中に載せ紹介すること」を指します。

そしてこの引用の場合であれば、著作物を利用する際に許可をとったり使用料を支払う必要がありません。

第三十二条
公表された著作物は、引用して利用することができる。

e-Gov(電子政府の総合窓口)『著作権法』より引用

引用のルール・条件

しかし、上の画像のような引用の形をとっていればそれでいいというわけではありません。いくつかルールが定められています。

法律の原文は少し難しく書かれているので、わかりやすく書き直されている文化庁のページの内容を見てみましょう。

他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。

  1. 他人の著作物を引用する必然性があること。
  2. かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
  3. 自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
  4. 出所の明示がなされていること。(第48条)

文化庁『著作物が自由に使える場合』より引用)

つまりこの4つの条件に当てはまって初めて、引用が許されるということですね。

それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。

他人の著作物を引用する必然性があるか

これは当然のようで、一番見落としがちなポイントかもしれません。そもそも、本当に引用しなければその記事は成立しないのか?いまいちど、考え直してみましょう。

ちなみにこの記事では、『法律の引用なしでは、記事の内容が信憑性に欠けてしまうと判断したため』引用を使っています。

かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されている

これは悪い例です。引用にかぎ括弧をつけていますが、他の部分にも同じかぎ括弧を使っているためわかりづらくなっています。誰が見ても引用部分だと分かるように、その他の文章との区別をハッキリとつけましょう。

ちなみにワードプレスをご利用の場合は、引用部分を簡単に区別できるようになっています。詳しくは、このあと解説します。

自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確である

良い引用例

主従関係というとなんだか難しそうですが、簡単にいうと文章量のバランスの問題です。

自分で書いた文章量よりも、引用部分の文章量の方が多くなってはいけません。

転載
ちなみに引用の文章量の方が多い場合、それは『引用』ではなく『転載』と呼ばれ、ルールもまた変わります。転載の場合は、著作者に了解を得ることが必須です。

出所の明示がなされている

最後に、引用した元のサイトや書籍などの情報を一緒に記載する必要があります。

引用元
明示の詳細についてはルールがありませんが、『Webサイト名, 記事のタイトル』や、書籍であれば『出版年, 出版社, 著者, 書籍名, ページ』などを表記しておくのが無難です。ちなみにWebサイトからの引用の場合は、読んでいる人がすぐに元サイトを確認できるようリンクも貼っておくと親切ですね。
ワードプレスであれば、リンクの設置も簡単にできます。リンクをつけたい部分を選択した状態で、リンクボタンをクリックし、URLを入力しましょう。

引用は必ず原文から!

孫引き

原文以外の場所から引用してくることも、禁止事項の1つです。

すでに引用が行われている他者のブログから、さらに引用してくることを『孫引き』と呼びます。このような場合は必ず自分の目で原文を確認し、そこから引用するようにしましょう。

画像などへも同じ対応を

文章だけでなく、画像などを引用したいなと思うこともあるかもしれません。その場合も文章と同じように、さきほど触れた条件を全て満たしている場合にのみ引用できるということを忘れずにおいてください。

画像の引用・悪い例
よく、画像の右下に引用元の情報だけこそっと記載されているものを見ることがありますが、それでは上のルールを守れていません。
画像の引用・良い例
文章の場合と同じように、区別をつけるために装飾をほどこす必要があります。ここまでしてでも、「その画像を引用しなければブログが成立しない」という場合にのみ引用するように気をつけましょう。

ちなみに引用ではなく普通に画像を載せたい場合には、次のような選択肢があります。

  • 著作権フリー画像を使う
  • 有料画像を購入して使う
  • 自分で撮影した写真を使う

著作権フリー画像を使う

著作権フリー画像とは、著作者の許可なしで無料で使える画像のことです。フリー画像を提供しているサイトは国内外問わずたくさんあるので、『画像 フリー』などで検索してみましょう。フリー画像は使っている人が多いためかぶりやすくはありますが、安心して使えるものの1つです。

有料画像を購入して使う

お金を払って購入した画像であれば、フリーのものに比べるとかなりかぶりにくくなります。キレイでオシャレなものも多いので、よく画像を使うという方は有料で良いものを厳選して使うのもオススメです。

自分で撮影した写真を使う

自分で撮影した写真であれば100%オリジナルになるので、まったく問題なしですね。ただし他人の顔が写り込んでいるような場合には、本人に許可をとるか、見えないように隠すなどの配慮を忘れないように気をつけましょう。

引用タグの使い方

さきほど触れたように、ワードプレスのブログには引用専用の装飾が用意されています。

引用部分をカーソルで選択した状態で、引用タグのボタンをクリックします。この機能を使うとGoogleなどの検索エンジンにも「ここは引用ですよ」と伝えることができるので、引用するときには必ず使うようにしましょう。

まとめ

以上、著作権と引用についての解説でした。

引用を使う機会はあまり多くないかもしれませんが、簡単にでもいいので理解しておけば、いざというときにきっと役立つはずです。

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